まさか自分が不倫するなんて、思っていませんでした

世間では不倫をするカップルがたくさんいても、自分だけはそういうことをしないと思ってきましたが、ふとしたきっかけから、今は私も不倫をする女になってしまいました。しかも、相手は娘の小学校の同級生のお父さんなんです。私は32歳で彼は40歳ですが、クラスの保護者会で出会って、あるイベントの役員をやることになったことで急接近しました。

もちろん、お互いに子供を持っているわけですから、相手が既婚者であることもわかっていました。しかも、子供の学校で出会って不倫なんてことが人に知られたら私たちがバッシングされるだけではなく、子供にも影響を与えてしまうわけですから、そのことのまずさはわかっていたつもりです。でも、彼のほうから誘われて最初はお茶をする程度でしたが、徐々に親しくなっていく中で彼から口説かれるようになり、久しぶりに「ママ」ではなく「女性」として扱ってもらえることがうれしくて、彼にのめりこんでしまったのです。そして、気づいたときには彼に夢中になっていました。

もちろん、彼との付き合いがはじまってからも私は「ママ」としての顔を忘れることはなく、娘に対してはこれまで通りに教育をできる限り施していますが、夫への愛は皆無になってしまいました。と同時に人妻であり母親でありながら、こういういけない関係を持っている自分が娘に真面目な顔をしていろいろなことを教えていると、罪悪感もあります。

娘には「嘘をつくような人にはならないで」と教えていますが、私がその張本人なのです。でも、そういう感情があっても、どうしてもこの関係を終わらせることはできないのです。また、彼も私のことを気に入ってくれていて、特に私の体型を褒めてくれます。私は彼のテクニックにメロメロの状態で、抱かれたいと毎日のように考えてしまいます。自分が人妻であることも忘れて夢のような時間を過ごさせてくれる人になっているのです。

もちろん、この関係が人に知られないために会う場所にはかなり気を使っています。それぞれの家庭に知られないことは当然ですが、それ以上に保護者の誰かに会ってしまってもおしまいですから、私たちが住む菊池市内は確実に避けています。できるだけ遠い場所というのがひとつの決まりになっていますが、固定した場所で会うのも危険なので、毎回変えています。

隠さなければならないのでその点ではドキドキしますが、最近はこのドキドキ感もひとつの刺激になっている部分もあります。今まで真面目に生きてきたほうなので、こんなドキドキ感を味わった経験は皆無なのですが、だからこそそのドキドキ感にハマっている自分がいるのです。いけないことをして人に秘密にしているという状況がこんなにも自分に刺激を与えてくれるとは思ってもいませんでした。

今まで不倫というものには否定的だった私ですが、今は少しだけ不倫をしてしまう人の気持ちがわかるような気がしています。もしかしたら、誰かを愛したいとか愛されたいとかそういうことではなく、何かしらの形で刺激を得たいからこそ、いけない関係に手を出しているんじゃないかと思います。もちろん、事情は人それぞれでしょうし、これは私のケースだけに言えることなのかもしれませんが、とにかくそんなことを思う日々です。今後に関してはどうなるのか私にはわかりません。もしかしたら、必死に隠すのもむなしく、どちらかの家庭にすぐさま気づかれてしまうかもしれませんし、逆にこのあと何年にもわたって関係が続いていくのかもしれません。これまでに経験したことがないので、どうなるのかまったくわからないのです。

でも、結婚してからずっと安定した精神状態の中で過ごしてきたので、先のわからない今の状況にもドキドキしています。仮に今の彼とうまくいかなくなったとしても、私は不倫という行為にハマってしまっているような気もしますので、今後も新たなパートナーを見つけて、また同じことを繰り返すかもしれません。それがいけないことだとはわかっていますが、そういうふうに考えてしまうほどに今の私はこの日常に満足感を抱いてしまっているのです。自分だけは不倫なんてしないはずと思っていた自分がすでに懐かしいほどです。でも、主人との結婚生活だけで、ここまでの充実感を味わえていたかと言えば、そうでもないので、結果論ではありますが、こういう人生を手に入れることができたことは幸せなんだと思います。