掲示板アプリで知り合った人妻にいれこんでます

掲示板アプリで知り合った人妻にいれこんでます

出会い系で知り合った人妻と結婚の約束をした。

嘘だろうと思うだろうが、真実だ。
こんなことが平気で起こる世界。
それが出会い系だ。

待ち合わせ場所に行く途中、雨にたたられた。
僕はリュックに傘を常備しているから問題なかったが、寛子さんは大丈夫だろうかと心配する。
待ち合わせに選んだのは甲府市にある舞鶴城公園の入り口付近。あの辺には雨宿りする場所はないだろう。
到着したらタオルを頭に乗せたまま橋のたもとでしゃがんでいる女性を見つけた。
もしやと思って近寄ると寛子さん。しゃがんだまま目だけで笑う。

「急な雨で困ったね」

「びしょ濡れ!」

相合傘になる。
雨のしずくでショートヘアの毛先が光っている。
色っぽいな、と思って頬にキスしたら、彼女も頬にキスを返した。
傘で顔を隠し、唇を重ねる。

―体目的で会うのだからこんなこともできるのだ―

そう思った。

寛子さんは僕と同じ甲府市内に住んでいる。
出会い系サイトで知り合い、無料通話アプリでメッセの交換をした。

三十代の人妻だが、夫婦関係は破たんしている様子。
五年前に夫が浮気してから、出会い系サイトや、掲示板アプリで遊ぶようになった。
最初は暇つぶしで登録し、相手をからかうだけで実際に会うことはしなかったが、夫の二度目の浮気が発覚してからは、自分の中の何かが切れて、手あたりその場限りの肉体関係を持った。
複数の相手と並行して関係したことも一度や二度ではない。
最近の出会い系は、自分のような人妻の人気が高いのを肌で感じる。
三十代人妻、と書いただけでメッセージが殺到する。男には困らない。特に年下男性が多い。

線路沿いにラブホがあることは知っていたが、雨の中を歩くのは億劫だ。

「ホテルまでタクシー使いましょうか」

「いえ。このまま歩きたい」

「じゃあそうしよう」

相合傘でゆっくり歩く。

それから断片的なことを話したが、会話が途切れたら寛子さんが「あなたとは友達感覚で付き合いたいわ」と言った。

「あなたも多分体が目的で私に会ったと思うけど、この次からはもっと清潔な関係になりたいの」

淫乱なだけの女と思ったけど、実は違うのかもしれない。
橋のたもとでしゃがんでいた姿を見たとき、どことなく芯の強さを感じたけど、旦那が浮気するまでは実直な人妻だった可能性もある。

「偶然なんだけど、あなたはどことなく私の初恋の男性に似てるのよ」

「初恋か。僕は初恋の女性のことなんか忘れたよ」

「もう一度あんな風な綺麗な恋がしたいわあ」

「わかった。プラトニックな恋をしてみよう」

寛子さんの頬が緩み、瞳が垂れた。

「そのかわり」

「そのかわり、なあに」

「今日だけは、男と女になりたい」

今日は女が欲しくてたまらないのだ。
今日で禁欲生活も九日になる。いい加減出さないと気が狂う。

「いいわよ。今日はとことん遊びましょう。そのかわり」

「そのかわり、何」

「とりあえず、お茶したい。なんか寒いから」

肩を抱き寄せて、歩調をさらにゆるめた。

寛子さんとはプラトニックな関係を保っている。
もう半年になるが、セックスは今のところ二、三度しかない。
でもそれで満足している。日々彼女を好きになっている自分がいる。
寛子さんは付き合えば付き合うほど、内面から温かなものがあふれてくる。
その温もりに触れているだけで幸福だった。

寛子さんが離婚したのはつい先日だ。

今度、一緒に指輪を見に行く約束をした。

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